rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第20章 in the maze
「あ、ぁ……」
「ハァ…膝も震えてんな……。そろそろ……何かオレ様に言うことがあるんじゃねえのか?」
「ッ…ふ……ンン…」
「ハ…ッ、あと何分もつだろうな?!…それはオレもか……ハハッ」
「――……!あ…」
片方の肩からずれ落ちたワンピースの生地が、二の腕でもたつく。
ブラジャーの紐も巻き込まれており、いやらしい身なりと化されよがる名無しはふと、ベッドのシーツを握り締めた時に感じたものに眉を顰め、枕元でハッとした。
自分の下着のなかが熟れている感触と似たような……まるで湿り気をまるごと掴んでいたようなそれは、錯覚じゃない。
そこで掻いた自身の冷や汗が落ちたわけでもなし、まだ流していない涙でもなし。
「……」
このベッドには、生々しい行為の余韻がまだ残っている。
そう感じると、そこで名無しは再び、此処で抱かれること自体に激しく拒否反応を露わにした。