rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第19章 Villain or Ghost?
「……なるほどな…だからおまえ、あんなに締まってたってわけか…ハハッ」
「!」
「あんま濡れてねえなとも思ったんだぜ……?けどそんな日はいくらでもあったしな…おまえ、デリケートだもんなァ??」
「っ……」
「んな怖かったのかよ?さっき見た映……」
「だめだめ…だめ!!」
「…ッ……」
「――言わないで…思い、出したく……ぅ…」
「……マジかー…」
惚れた女の新しい一面を知れるというのは、実に嬉しいことだった。
少なくともシルバーにとっては、名無しの身体を知り尽くしていても、理解しようのない、頑丈な鍵のついた領域がまだあったのだから。
当然恋人という認識はシルバーも持ち合わせてはいない。
半ば脅し、自分にしか振り撒くことのできない快楽を時間をかけて覚えさせ、それを餌に釣っていたような歪で乱れた関係だ。
そうではあったけれど、今彼女に愛情を抱いているのもまた事実……出会った当初よりも、幾ばく優しく、シルバーは名無しに接しているつもりだった。