rain of teardrop【黒バス/ジャバ】
第13章 teardrop afterⅢ
「・・ッ・・・ぅぐ・・」
「おっと・・・落とすなよ?そのあいだオレ様は・・」
「!・・んん・・・」
「・・っ・・、ッ・・・また濡らしてやがる・・コイツ・・・」
シルバーは玩具の持ち手の部分に指を添えると、名無しの目の前で一瞬、それの電源を入れた。
いかにもな振動音が響いたのは束の間のこと。
ただ、その数秒ほどで十分、玩具への恐怖心は植え付けられていた。
緩やかな曲線を描くグロテスクなそれは、無機質さが前面に出ていても、どうしても生々しさを感じてしまう。
そう思うのは見た目の所為だと分かっている。
男の象徴と何ら違えぬ造形なのだから。
名無しはシルバーにそれを咥えさせられると、そこで初めて、生々しさを兼ねたただの無機物であることを実感した。
冷たくはないけれど、あたたかさもない・・・つまりは玩具なのだと。
乾ききった竿の表面を潤す為だけに咥えさせられ、何故そうさせられたかと言えば、暫くののち、これで自分を犯すためだろう。
口の奥深くまで含んでも届かない根元。
その大きさゆえに唾液で濡れる唇。
名無しは本当に、ただそれを黙って咥えていることしか出来なかった。
自分を組み敷いていたシルバーが下へとさがり、腹部にキスをしながら下着を脱がしても、今の彼女に唯一可能なのは涙を流すことだけだった。