• テキストサイズ

いちご☆恋模様 PART2

第4章 ジンベエザメの試練 ふたたび


「あの・・・宗介さん」

30分ぐらい経ったころだろうか。ヒカリが俺に話しかけてきた。

「ん?」

目は画面にやったままヒカリに答える。

「えっと・・・5月に凛さん達と映画、行きましたよね?」
「・・・おー、そうだったな」

あの時は俺とヒカリ、あと凛と江がいたんだったな。あれからまだ4ヶ月ぐらいしか経ってないのに、ずいぶん長い時間が経ったような気がする。


「あの時・・・私達、えっと・・・こういう格好で観てたじゃないですか」

そう言ってヒカリが、両腕を前に回すようなジェスチャーをする。
・・・そうだったな、やたら狭い席に二人で座ることになって、俺の脚の間にヒカリを座らせたんだった。


「えーっと・・・あの時、宗介さん、私のことどう思ってたのかなって、ちょっと気になって・・・」

隣りのヒカリに目をやると、その頬が少しだけ染まっていた。

「別に・・・あの時は特になんとも思ってなかった。お前、狭い狭いうるせえし、それなら・・・って思ってやっただけだ」

あの時の正直な気持ちを答える。ヒカリのことは面白い奴だとは思ってたけど、特別な感情はまだなかった。

「そ、そうですか・・・まあそうですよね」

ヒカリが落ち込んだような顔をする。昔のことだし、どうしようもないだろ、と思う。だけど、俺も少し気になったので、あの時のことをヒカリに聞いてみることにした。


「・・・ヒカリは?」
「へ?」
「ヒカリはあの時、俺のことどう思ってたんだ?」


少しずつ自分で自分を追い込んでいってるような予感がしてる。だけど、気になっちまったんだから仕方がない。


「わ、私は・・・まだ、その・・・自分の気持ちに気付く前で・・・でも、宗介さんがすごく近くって・・・ずっとずっと・・・ドキドキしてました・・・」
「・・・・・・そうか」


想像以上にやばかった。真っ赤な頬をして、少し潤んだ瞳でヒカリが俺を見上げてくる。

『気付く前』、ってことは、こいつあの時もう俺のこと好きだったってことかよ・・・・・・

そう思っただけで、少し鼓動が速くなるのを感じた。
/ 254ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp