第3章 Happy Birthday!
「そう・・・なのか」
・・・まだあんまよくわかんねえけど、ヒカリもこんな風に、俺の誕生日をちゃんと祝いたかった、ってことか。
それなのに、ふくれた顔を『いちご大福』とか言われて、怒らないはずないだろ、ってことか・・・まあそれは俺が全面的に悪いか。
・・・正直、女ってめんどくせえって思わないでもないけど、そんなのが好きでつきあってんの、俺だしな・・・
「・・・もう俺達とは十分だろ。まだはえーし、お前今からヒカリんとこいってフォローしてこい」
「今から・・・かよ」
少し考えに浸っていると、凛がこの場をまとめるように言った。確かにまだ遅い時間じゃないが、明日でもいいんじゃないか、とも思う。
「だってお前、こじらせたらめんどくさそうだもん」
・・・『お前ら』じゃなくて『お前』、かよ。俺のことを全部わかってるような凛の顔が少し憎らしい。
「宗介先輩、長島さんと電話した後やデートした後って、すごく機嫌よくってわかりやすいですもんね。その逆は・・・まあ簡単に想像できる、ってことですよね」
・・・いや、なんで愛まで知ったような顔してんだ。てか、そんなに態度に出してねえよ・・・多分。
「あー、うるせえ。わかった、行ってくりゃいいんだろ」
これ以上変なこと言われたらたまらない。俺はバッとその場で立ち上がった。
「宗介先輩!なんならヒカリちゃんに言っちゃえばいいっすよ!プレゼントはお前がい・・・むぐ!」
「黙ってようね、百くん」
なんだかまた余計なことを言おうとしている百の口を、愛が手で塞いだ。その様子に少し笑って、俺は部屋のドアに向かう。
「・・・・・・今日は・・・ありがとな、凛、愛、百」
「おう!」
「「はいっ!」」
去り際にボソッと言うと、三人は笑ってそれに答えてくれた。