第26章 ふたりの、初めて。 その3
・・・どうしよう、どうしたらいいの?
・・・私から誘ったんだし、ちゃんと私から『続きして下さい』って言わなきゃいけないのはわかってる。でも今、このタイミングで言うの?こんな重い空気の中で言うの?
それとも夜まで待ったほうがいいいの?でも、そうだとしたら、それまでの時間どうしたらいいんだろう・・・こんな雰囲気のまま夜までなんて気まずすぎる・・・
・・・わかんない・・・わかんない。
だって・・・だって・・・そもそも宗介さんがこの状況を嫌だって思ってたら、『続き』なんてしてくれるはずがない。
・・・小学生に間違われるような奴なんかとはしたくないって思ってるのかな。
ぎゅってしてキスするだけじゃ足りなくて、もっと宗介さんに触れたい、触れてほしいってせっかく思えたのに・・・。
・・・どうしたらいい、どうしたらいいの?
・・・助けてくれる人なんて誰もいない。だけど、もう誰か助けて欲しい。
せっかく、天方先生に話聞いてもらって、勇気出たのに。恥ずかしくても怖くても、宗介さんといっしょにって・・・・・・・・・
・・・・・・あ!!!!!
・・・・・・・・・どうしよう。天方先生で思い出した。私、あれ、買ってない。すごく大事なことって先生に言われたのに。すっかり忘れちゃってた・・・どうしよう、もうできない・・・・・・私が誘ったのに、私のせいで・・・・・・・・・
・・・もうダメだ、私・・・もうダメだ・・・・・・
「・・・・・・はぁ・・・」
静かな部屋に、宗介さんの口から漏れたため息が響いた。それを聞いた途端、今までずっと張り詰めてたものがぷつりと切れて、涙がボロボロと溢れてきた。
「・・・っ・・・ぅ・・・っく・・・ひっく・・・」
涙がひと粒、ふた粒と、ココアの中に落ちていく。
「・・・は?!ヒカリ?!」
「ひっ・・・うぅ・・・」
「おい、どうした?いきなり」
「もう・・・やだぁ・・・ひっく・・・」
宗介さん、びっくりしてる。私がいきなり泣きだしたんだから当たり前だ。でも、もう涙が止まらない。