第22章 すてっぷあっぷ? その2
「っ・・・・・・ヒカリ・・・」
すぐ目の前にある宗介さんの唇に、自分の唇をそっと重ねた。
大好き・・・大好き・・・子供みたいにへたっぴなキスしかできないけど、どうかこの想い、宗介さんに伝わってほしい。
「・・・宗介さん・・・」
唇を離して、すぐ近くにある宗介さんの瞳を見つめる。宗介さんは驚いたような顔をしている。
恥ずかしい・・・だって、自分からキスするなんてまだ数えるぐらいしかしたことないのに。
ガキのくせに何やってんだとか、顔も真っ赤だろうから、またいちごみたいとか思われてるのかな・・・そんなことを思っていたら、腰に回っていた宗介さんの腕が、突然私の身体を抱き寄せた。
「ふ・・・んんっ・・・ん・・・」
びっくりする間もなく、私の唇は宗介さんの唇で塞がれた。深く口付けられて、すぐに宗介さんの舌が私の中に入ってきた。甘くとろけてしまいそうな感覚に、何もかもを委ねてしまいそうになる。だけど、ギリギリのところで理性を働かせて、宗介さんの身体をぐっと押し返した。
「・・・だ、だめ・・・」
「・・・なんでだ?」
「だ、だって・・・こ、こんなキスしたら、宗介さんに風邪がうつっちゃう・・・」
本当はしたい。もっとずっとしていたい。だけど、それ以上に宗介さんに風邪をうつしたくない。今日はもうたくさんワガママを通して、とっくに宗介さんに迷惑をかけてるんだから・・・
「・・・かまわねえ。ヒカリのだったらうつされたってどうってことねえ・・・・・・」
「っ・・・・・・」
今度はゆっくりと宗介さんの顔が近付いてきた。その真っ直ぐな瞳に嘘はつけなくて、私は再びぎゅっと目を閉じた。
待ち侘びていた感覚がすぐに唇にやって来て、いつもならただ待っているだけなのに、私の唇は自然と小さく開かれてしまっていた。その隙を縫って、すぐに宗介さんの舌が口内に割り込んでくる。
「ふっ・・・ぁ・・・ぁん・・・」
身体中がかぁっと火照って、意識が蕩けてしまいそうに気持ちいい。
これまではこんな大人のキスの時は宗介さんに全て任せっきりだった。だけど、今日は私からももっともっと宗介さんのことを感じたくて、ただただ宗介さんのことが大好きで、私は初めて自分から舌を宗介さんの方へと差し出してみた。