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いちご☆恋模様 PART2

第18章 悩める季節 その1


だったら、うち・・・はどうだろう。
・・・あ!でも・・・とそこで私は手帳を出して確認する。今年のイヴは日曜日。こんな日に限って両親とも家にいる・・・
だけど、『イヴだしどこか二人で行ってきたら?』って言えばあの二人なら出かけてくれそう。
・・・だけど、それでも夜には帰ってきてしまう。


それに私、そもそもそういうことにどれぐらい時間がかかるのかがわからない。お昼ぐらいにうちに来てもらったとしたら、それでその・・・なんとか夜までに終わるものなんだろうか。
来てもらっていきなり『時間が気になるので、お早めにお願いします』なんてありえないし・・・

・・・・ホテル?・・・ダメ・・・待って、待って。お金ないし、そもそもそこに誘う時点で心臓破裂しちゃう。




・・・・・・しまった、もっと大切なことがあった。そもそもイヴの日、宗介さん予定空いてる?誕生日だってスルーしようとした人だから、何も考えないで予定入れちゃってるかもしれない。

クリスマスなんて、すごく大切なイベントのはずなのに、私も最近悩んでばかりで、全然そんなこと考えられなかった。

幸い、今日は鮫柄で合同練習があるし、予定を聞いてみよう。何もないようだったら、クリスマスイヴ一緒に過ごしませんか、って誘ってみよう。

・・・うん、場所とかその他諸々はその後で考えよう。多分、なんとかなる・・・はず。

・・・・・・頑張って誘うって宗介さんにも言ったし。とりあえず行動してみよう。よし!!





「・・・あれ?ここ、どこ?」





ぐるぐると考え事をしていた私は、学校の最寄り駅を乗り過ごし、来たこともない駅まで来てしまっていたのだった。










「ヒカリちゃん?なんか顔、怖いけどどうしたの?」
「そ、そうですか?!気のせいじゃないですか?」
「ヒカリさん、さっきからずっと眉間に皺が寄ってますよ。何か悩み事ですか?」
「い、いえ!別に何も悩んでないです!!」
「これから宗ちゃんに会えるのに、ヒカリちゃん、嬉しくないの?」
「そ、そそ宗介さん!!そうですね、会えますね!嬉しいです!!」

・・・どうしよう。どうしよう。私は今2年生の先輩達と鮫柄に向かうため、電車に乗っている。
私がなんだか挙動不審になっている理由は、放課後にお母さんから届いたメールが原因だった。
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