第4章 優菜視点
そして翌日の朝、出勤すると
営業部全員、葛城代表の面談がある
と言われ
席に着こうとすると
蛇島さんから
余計な事を言うとわかってるよね?と
口止めされた!
次々に面談に向かい
立って作業していると蟹枝係長が
戻って来て
耳元で面談…君の番だよ?
と言われる
鳥肌がたち
気持ちが悪く涙が出そうになった
なんとか気持ちを落ち着かせ
面談をしている部屋の前に行き
ノックをする
「はい!どうぞ!」
「失礼……す」
入るように促され緊張で声が出なかった
ボストンバックを持って
部屋に入る
「椅子におかけください!」
「はい…」
部屋にいる人の顔を見れずに
緊張しながら椅子に座ると
女の人の咳払いが聞こえる
「あー…最初に謝らせてもらいたい!」
「え?」
謝られるとは思わなくて
驚いてしまう
「挨拶に行った時に君が居るって気付けなくて
すまなかった」
「いえ!大丈夫です…
気付かれなかった私が悪いので…」
葛城代表の顔見れないな
「他の人から聞いたら
みんな口々に仕事が出来るのは愛川くんだって
ほめてたよ」
「ありがとうございます…でもそんな事ないです」
普通に褒められたら
嬉しいのにね
「前の部長さんがいた頃は凄かったらしいね」
「…!」
宮本部長の事だよね?
出来ればかえってきてもらいたいな…
「いくつか君に聞きたいのだが」
営業部の事を
いくつか言われたけど
何を答えたか覚えてない
「では君の事を聞きたいのだが」
「え?」
そんな事を聞かれるとは思わなくて
驚いて聞き返してしまう
「君はずいぶん痩せてるみたいだが
ちゃんとご飯は食べているのか?」
「…!…食べてます!」
なんか体見られてる?
「ちゃんと睡眠は出来ているのか?」
「…!…はい」
「君は帰りが遅いみたいだが
会社でなにかやっているのか?」
「…仕事の…スピードが遅いので…余ったのを
やっています」
「ホントに?」