第3章 「耳弱いんだな」
この店は七席ほどのバーカウンターの接客もあり
お客の横に座って接客もありの形の
ホストクラブで
バーカウンターでは男の客も受け入れており
バーカウンターでは
ホストクラブとは違う空間にいる
ような落ち着いた内装にしていて
ホールとの違いを演出しており
ホールで酒の注文された飲み物やアイス(氷)を
このバーカウンターで用意するが
日替わりで変わっている
バーカウンター担当のホストと
黒服のスタッフがインカムを
所持しており
その度に口で言わなくていいので
お客様の邪魔にならないように
している
そして店のホスト全員が
カクテルとワインの知識を熟知している
今日は玲司がバーカウンター担当だ!
そしてバーカウンターに行き
腰の高さより少し低い椅子に吉村と座る
「よぅ!久しぶりじゃねーか雪音(ゆきね)」
「名前で呼ばないで!」
この吉村を雪音と呼ぶこの男は
吉村と俺の幼馴染で鬼城龍也(おにしろりゅうや)
年は俺と同い年の35歳
髪色が赤の短い長さのツーブロックで
サーフィンが趣味の為肌が褐色で
舌ピアスをしてるチャラいおっさんだ
そしてこの店の代表で
本業は近くでバーを経営しており
たまに店に顔を出しバーカウンターに
入ってる
裏の顔も持っているが
今は言わないでおこう
「つーかお前…雅也か?」
「おぅ」
龍也が俺の顔をマジマジと
至近距離で覗き込んできた
その瞬間ホールの方から
短い悲鳴みたいな声が聞こえた気がした
「おい!近いぞ
俺はノンケだ誤解を生む」
「わりぃわりぃ!
昼間の顔初めて見たもんだからよ
マジで別人だな!」
カカカと豪快に笑いながら言い
龍也は何飲む?って
聞いてきたので
俺に合いそうなワインと
吉村に合いそうなカクテルを頼んだ
ちょっと待ってろよって言い
ワインセラーに入り戻ってくる
「これなんかどうだ?
スターレーン ヴィンヤード
カベルネ・ソーヴィニヨン ハッピー・キャニオン・オブ・サンタ・バーバラ
長たらしい名前だがな!
お前っぽいだろ!」
「まぁな!確かに
知的で官能的なやつだっけ?」
「そうそう!それだ!」
ニマッと笑いながら言う龍也
「でー雪音のはー」
龍也は吉村を視姦するように
目をそらすんじゃねーぞ?って言ってるかのように見ながら
口の端を上げフッと笑い
ピアスのついた舌で舌舐めずりする
