第3章 「耳弱いんだな」
そしてすぐにつく
うちの会社は22時になると
自社発電に自動で切り替わり
一回電気が消える仕組みだ
「つーかドア閉めちまったよな?」
「あっ…」
同時に22時以降
地下の部屋と人が来ない部屋は
カードキーで外側からしか
開けれないシステムだ
「携帯は…圏外か」
携帯を見ながら言う
「そんな…」
「落ちつけよ!
俺の秘書がなんとかしてくれる」
そう言い壁に背中をつけ
腕を組む
「秘書の方を信頼してるんですね」
「ああ!…信用とか信頼がないと
背中は預けれないからな!
そんなもんだよ」
「なるほど…」
「君も俺を信用してくれると
ありがたいのだがな」
まっすぐ愛川くんを
見つめ言う
すると目をそらし顔が赤くなる
ん?この反応は
俺に気があるのか?
それかただ男の経験が無くて恥ずかしいのか?
「あの…」
「なんだ?」
「葛城代表って
もしかして口が悪いですか?」
「あ?」
「…ごめん…なさい」
俺が怒ったと思ったのか
謝ってくる愛川くん
「わりぃ怒ってないんだが
バレたか?
家族とか信頼してる相手
とか心許せるヤツには
なってるみたいだ!」
「そうなんですね!」
愛川くんは俺の前の
壁にもたれかかりながら言う
「俺も聞きたいのだが
ホントは飯食えてないんだろ?」
「そんな事…ないです…」
俺の視線から逃れようとするかのように
愛川くんは俺に背中を向け
言う