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表は次期社長候補裏の顔は夜の帝王様?

第2章 「私の事は放っておいてください」


そして扉をノックする音が聞こえる

「はい!どうぞ!」
「失礼……す」

消えてしまいそうなか細い声で
言いボストンバックを持って
部屋に入ってくる

「椅子におかけください!」
「はい…」

やっぱり痩せてても
綺麗でカワイイなと見惚れていると
となりに座っている吉村に咳払いされる

「あー…最初に謝らせてもらいたい!」
「え?」
「挨拶に行った時に君が居るって気付けなくて
すまなかった」
「いえ!大丈夫です…
気付かれなかった私が悪いので…」

下を向いたまま答える愛川くん

ん?この声は非常階段で
泣いてた子の声じゃないか?
ということは泣いてたのはこの愛川くんなのか?

「他の人から聞いたら
みんな口々に仕事が出来るのは愛川くんだって
ほめてたよ」
「ありがとうございます…でもそんな事ないです」
「前の部長さんがいた頃は凄かったらしいね」
「…!」

宮本係長の名前を出すと一瞬
辛そうな顔をする愛川くん



「いくつか君に聞きたいのだが」

営業部の事を聞くが
下を向いたまま
はいだとかそうですねなど
ひと言しか言ってくれない愛川くん

「では君の事を聞きたいのだが」
「え?」
「君はずいぶん痩せてるみたいだが
ちゃんとご飯は食べているのか?」
「…!…食べてます!」

愛川くんの体を見ながら言う

「ちゃんと睡眠は出来ているのか?」
「…!…はい」
「君は帰りが遅いみたいだが
会社でなにかやっているのか?」
「…仕事の…スピードが遅いので…余ったのを
やっています」
「ホントに?」

仕事できる子だと聞いてるのに
遅いって事はないだろと思い
もう一度聞く

「…はい!」
「あとある社員が言っていたんだが
蟹枝部長と蛇島くんたちに
嫌がらせされてるんじゃないかと!」
「…!!…そんな事…ありません」

俺の言葉に泣きそうな顔になる愛川くん

「その君が大事そうに抱えてる
ボストンバックもその事に関係してるのではないか?」
「……違います…」
「では…君はどこでご飯食べているのかな?
コソコソ逃げるように歩いてたのを見かけたが?」
「………!!…あの…」


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