第1章 トリップ
「秀吉、刀を下ろせ。つくづく面白い女だ。」
「しかし!!」
言い募ろうとする秀吉を、信長は一瞥して黙らせる。
「構わん。その調子で俺を楽しませろ。」
「フフ、人を見る目は確か・・・か。まぁ、気が向いた時には相手をしてやる。」
なつもその場を楽しむように笑みを崩さなかった。
それから、尚も納得のいかない様子の秀吉に2人に城の中を案内するよう言いつけ、その場は解散となった。
秀吉が言いつけ通り城の中を色々と案内して回りその日は過ぎていった。
その後、蜜姫は女中たちに頼み込み、仕事を得たりしていたようだが、なつは1人自身の部屋でこれからのことを考え怪しい笑みを浮かべていたのだった。