第7章 “仕事”
「信長。」
「入れ。」
なつは、早々に中へ足を踏み入れる。
「遅かったな。」
「部屋に、邪魔者が数名いたんでな。」
「ほう・・・」
笑みを交わすだけで、お互いの意思をある程度読むように会話を交わす。
「なつ、最初の仕事だ。」
「その前に。」
「?」
「私は、仕事の時のみ、敬語で話そう。これが合図だ。」
「なるほど。それが今までの貴様の振舞いの意図か。」
信長の言葉に、なつは深い笑みを返す。
「私の仕事の時の名は“悧月”」
「では悧月、今回の命を下そう。」
「御意。」
なつは膝をつき、頭を下げた。