第6章 走り出す運命
3人の姿が見えなくなったところで、なつは腕を上げる。
そうすれば、その腕に羽黒がスイーっと降り立った。
大笑いする前から、部屋の外にいたのは気付いていたが、如何せん邪魔者がいた為、早々に部屋を出ることが出来なかった。
「待たせて悪かった。行くか。」
なつは笑みを深め、天守へ向かった。
残された3人はと言うと・・・
「結局、俺たち側の人間だと思っていいのか?あれ。」
「そうだな。取り敢えず、お館様に害為すものではないと思ってよさそうだ。」
「お前ら、それ確かめるためになつの部屋にいたのか?」
「お前じゃないが、信用性に欠けたしな。」
「気になる目は摘むに限る。要らん心配だったようだがな。」
「しかし、否と答えた時は流石に焦ったぜ。」
「秀吉は、直ぐにでも切りかかりそうだったしな。」
「仕方ないだろう。あんな風に言われれば。」
3人はどこかホッとしたように話し各々自身の持ち場へ戻っていった。