第6章 走り出す運命
秀吉と城下へ下りてから、今までとは打って変わったように、秀吉はなつの世話を焼くようになっていた。
「はぁ・・・」
「ため息なんか吐いて、辛気くせえな。」
「政宗、に光秀か。」
「おう、お前は蜜姫と違って遠慮ねえな。」
「クク」
「嫌だと言われても改める気はないぞ。」
「知っている。お館様を呼び捨てにする時点でな。」
「俺も、畏まられるのは好きじゃないしな。」
「フフ、で?」
「ああ、休憩だ。お前も食べるだろ?」
政宗は言いながら、手にしていた重箱を開ける。
「ほう・・・、今お茶を入れる。ついでに蜜姫も呼んできたらどうだ?」
なつは言いながら、お茶の準備を始める。
政宗と光秀はさっさと、座り込んだ。
「いや、今日は3人でゆっくりしようぜ。」
政宗の言葉に、なつは口角を釣り上げる。
その表情は光秀そっくりだと、政宗は内心思っていた。
「なるほど。それで、聞きたいことは?」
なつはそれぞれの前に湯呑みを置き、自身も腰を下ろして妖艶に笑った。