第17章 決戦2
「いい加減、負けを認めたらどうだ?」
「ふざけるな!!勝利を手にするのは、信長様だ!!」
お互い引かず、撃ち合う信玄と秀吉。
「楽しんでいるようだな、秀吉。」
「なつ?!何故ここに!?」
「ふふ、さて、私と代われ。」
「は?・・・お・おい!」
笑顔でなつが言うと、周りの家臣たちは秀吉をその場から離させようと動いた。
「秀吉、後ろで大人しく観覧してろ。さて、武田信玄、決着、着けようか。」
そう言って、信玄の眼前に刀を突き付けた。
「ほう?君が相手を?幸村たちは・・・」
「クク・・・上杉も真田も既に我が手中。さあ、我が主が来る前に貴方も我が手に落ちろ!」
笑いながら、なつは地を蹴った。
その言葉に、同様を見せた信玄は反応に遅れ、右肩に傷を負う。
「クッ!」
「「「信玄様!!」」」
寄ろうとする、武田の家臣たちを真田の赤備えが止めた。
「?!何を!!」
「お前たち、裏切るのか!!?」
「「・・・」」
その言葉に顔を歪めながらも、なつからの言葉を守った部隊に、なつは満足そうに微笑む。
「どういうことだ・・・」
右肩を抑え、なつを睨みつける信玄に、なつは笑みを消さず歩み寄る。
「言っただろう?我が手中だと。幸村は今頃、信長様に頭を下げているだろうな?」
「何だと・・・」
「全ては、馬鹿な主の為。滑稽だなぁ?貴方を生かすために、幸村は最も憎いはずの相手に頭を下げるんだから。」
信玄の心を痛めつけるように、言葉を投げる。
「おい。」
「謙信、邪魔はするなと言ったはず。」
「ふん、その言葉がこの男を跪かせるのか?」
謙信の言葉に、なつは・・・
「ふふ、信玄。お前は自分だけが死ねば他が助かると思っているのか?」
「・・・俺の家臣たちは「自害させるつもりか?」ッ!!」
「ここにいる、武田の兵が全員自害すれば・・・くにに残る女子供はどうなるかな?」
嘲笑うような、なつの言葉に信玄は苦虫を噛み潰したように顔を歪める。
「・・・俺にどうしろと?」
「ククク・・・くにに帰還することを許してやらないこともない。」
「は?」