第14章 決戦
「さて・・・秀吉。」
3人が出て行き、信長は秀吉を見据えて口を開く。
「何でしょう?」
「貴様、俺の為なら喜んで死ぬと言っていた考え。未だ、変わりないか?」
「っ!!・・・それは・・・」
「この後の役目、貴様の返答次第で光秀かを決める。」
「と、言いますと?」
「更に軍を二分する。その将をどちらにするか、秀吉、貴様の答えは?」
「俺は・・・」
秀吉の頭の中に、今朝の会話が蘇る。
秀吉は目を閉じ唇を噛むと、決意したように顔を上げ信長と視線を合わせる。
「・・・申し訳ありません。俺は、今、死ぬわけにはいきません。」
「・・・ならば、秀吉、貴様になつの救出を命ずる。」
「は?」
しっかりと、目を合わせ、告げた秀吉に信長はニヤリと笑う。
「なつとは話せたようだな。あれも、俺の気に入りに変わりはない。必ず、助け出せ。」
全て、分かっていたと言いたげな信長の笑みに、秀吉は苦虫を噛み潰したような表情を見せた。
「結局、信長様の思い通りと言うわけですか。」
光秀も面白がるように笑みを作った。
「クク・・・では、この後のことを話す。しかと頭に入れておけ。」
「「御意。」」