第14章 決戦
「ん・・・ふ・・・」
合わせた唇から、お互いの熱を分け合うように秀吉は舌を絡ませる。
どのくらいの間、そうしていたのか、時間にすればほんの少しの間なのにとても長い時間に感じていた。
最後にチュッとリップ音を立てて名残惜しむように唇が離れる。
「・・・今のは、忘れろ。」
「・・・それが、答えか?」
「・・・」
「わかった、もういい。」
なつは表情を消し、秀吉の腕から抜け出す。
「おい、どこへ・・・」
「城へ帰る。」
「なら、人を・・・」
「必要ない。」
振り返ることをせず、なつは秀吉の御殿を出て行った。
「はぁ・・・少しでも考え方を変えてくれたら・・・それでいい。・・・!」
秀吉の御殿を出て、帰りはわざと、人気の少ない道を歩いていれば、背後に気配を感じた。
その気配に、なつは口元に綺麗な笑みを浮かべ、更に人気のない道を進む。
目撃者が、出ないであろう処まで来たところで、なつは後ろを振り返る。
「・・・気のせいか・・っ!!」
顔を前に戻したところで、首に衝撃が走る。
そしてそのまま、崩れ落ちる体は、誰かに抱えられていた。