• テキストサイズ

白き翼【進撃の巨人】

第2章 破滅【序】


夕刻

エルヴィンは自室に愛を呼び、一枚の紙を差し出す


エル「アイ、今からの事は私とお前だけの秘密だ。それを踏まえて、この書面に目を通して欲しい」

『はい』

張り詰めた空気の中、アイは静かに書面に視線を落とす

そこにはニコラス・ロヴォフの身辺調査の報告書と記されており、最後に憲兵団の印が押されていた


主な潜伏場所から、取引先の商会

更にはよく行く店、服の趣味


そして女の趣味までもが細かく書かれている



エル「それをお前に見せた私の意図が分かるか?」

『はい』

静かにアイは頷く

ピンと張り詰めた空気の中、二人の視線はお互いを捉えたまま離れる事はない


エル「人類の未来の為に、お前の力が必要だ。どうだ…やってくれるか?」

『勿論です、私にやらせて下さい』



エル「…そうか」

アイの答えにエルヴィンは安堵の色を浮かべるが、直ぐにその表情は曇る




エル「すまないと思っている…本来ならば父親である私が、娘のお前に頼むべき事では…いや。言っておいて父親を語るのも烏滸がましいか…」


頭が良く、何も口に出さずとも自分の考えを理解してくれる娘

今自分がアイに求めているのは父親ならば決して求める事はない、求めてはならない



"ハニートラップ"


人類の為に心臓を捧げた一人の兵士として

心を鬼にしなければならない…




そう、アイを部屋に呼び出した時に腹を決めた筈だった

/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp