第2章 仕事がデキル女...
資料をコピーしながら時計を見る。
ふぅ。
この複合機は1分間に40枚印刷をかける事ができる。
あっちの複合機は1分間に45枚できる。
けど、こっちのほうがインクの出力が良い。
資料を作るのに最適な機械。
とくにカラー印刷はこの機械がいい。
なんてことは、誰も教えてはくれない。
自分で気づくか、調べるか。興味を持つか、持たないかの小さな差である。
周りの人間に仕事がデキル女だと思わせるのは簡単だ。
できる風にしておけばいい。
だが、間違ってはいけないのは、嘘はいけない。
自分が背伸びすると、必ず失敗する。
私の場合は、見た目から入った。
たとえば、極端な話。
ジャケットを着用している社員と、着用していない社員。
大事な会議に急に引っ張り出そうとした場合、
当然、ジャケットを着用している社員が選ばれる。
また、別の例でいくならば。
髪色が明るめのブラウンで、現代風にゆるく巻いて、いわゆるゆるふわな女性社員と、
暗めのブラウンで、ストレートの髪を後ろできっちりと、1つ結びしている女性社員。
何千万という契約案件を任せられるのは、どっちだろう。
もちろん後者である。
会社は自己主張をする場所ではない。
第一印象はとても大事である。
若いお客様から、年配のお客様まで、客層が幅広いのが不動産業界である。
家を借りる、家を買う、売る。それは、その人にとって大きな決断であり、人生にそう何度も訪れる瞬間ではない。
そんな人生に一度か、二度かの決断を任せられるような人間でなくてはならない。
まぁ、いろいろと無駄な話をした気がするが、要するに、外見から入ることはとても効果的である。
そういうことだ。