第4章 飲み会でデキル女...
目を閉じていると、いろいろな待ちの音が少しずつ聞こえてくる。
笑い声や、足音。
そして、
後ろにある少し離れた自動販売機から音がする。
誰かが飲み物をかったんだろう。
ああ、水でも買ってくればよかったかな。
そして、私のほうへ足跡が近づく。
きっと、その人もタクシーに乗るんだろうな。
なんて考えながら目をつぶっていた。
けど、その足音は急に止まる。
たぶん、私の真横。
男「大丈夫ですか。」
先程声をかけてきたクソみたいな男(スミマセン)とは違う声が私に声をかける。
うっすらと目をあける。
「あ、はい。」
目の焦点がしっかりしないまま返事をする。
男「これ、どうぞ。」
渡されたものを見下ろしたところでやっと、目の焦点があう。
「え、っと。」
正直、動揺しかない。
見知らぬ男の人に水を頂いてしまった。
恐る恐る、男の人の顔を見上げた。
男「きつそうだったから。」
あぁ、
どストライクだ。
酔っているせいか。
それとも、この男が本当にどストライクなのか。
べつに世間一般イケメンといわれるかといったらそうではない。
別に、惚れたとかではなかった。
ただ、自分のストライクゾーンのど真ん中を打ち抜かれた気分だった。
「ありがとう、、、ございます。」
男「いえいえ。タクシーで帰るとこ?」
「はい、えっと、これ。」
男「飲みな?」
「イタダキマス、、、」
水を飲んで一息。
生き返った。
男「大丈夫?」
「はい、本当に助かりました。」
男「タクシー乗り場まで送るよ。」
「!、ありがとうございます。」
男「ダメだよ?女の子が一人でこんなところ歩いたら。」
「あはは、早くタクシーに乗りたくて。つい。」
そう、近道をしようとして人の通りが少ない道を歩いていた。
男「すみません、この子だけいいですか?」
運転手「はい、いいですよ!」
男「はい、気をつけてかえるんだよ?」
「あ、、」
名前を聞く前にタクシーに押し込まれてしまった。
が、
この男がのちに私の前に現れるのである。
(それ先に言っちゃっていいのか?)