第3章 暴かれた○○
「今日はありがとう」
「楽しかったね〜」
「バイバイ」
私たちのガールズトークは8時30分きっかりに終わった。
瑛美の家のじいやは時間にうるさく、門限が9時ということもあり、あまり長居してはいけないと言付けられているそうだ。
私と摩耶子で瑛美の黒のベンツを見送り、ファミレスの前で摩耶子と別れた。
暗い街灯の少ない私の家の周りはとても物騒だと言い切っていいだろう。
少し早足で私は歩き、人通りのない道を10分歩くと私の家のあるアパートについた。
玄関の明かりが付いているということは父がいる。
私は携帯を確認して父からのメールがないのを見るとアパートの階段を上がり、ドアノブを回した。
「ただいま」
「うるせぇ!!黙れ!!」
そんなにうるさかったのだろうか。私はなにも反論せずに靴を脱ぎ、すぐに自分の部屋へと閉じこもった。ドア越しに聞こえるビール瓶を机の上に乱暴に置く音。ビール瓶が割れる音。母をどなりつける音。母がすすり泣く音。
私がこんな目に合わないといけない理由なんて求めても仕方がない。
これが日常なのだから。