第2章 見つけないで○○
家に帰ってからの予定を頭の中で思い起こす。
今日はたしか1人のおじさんに会わなければならないはずだ。私は予定帳を開けると今日の欄を見て時間を確認する。すると21:30に最寄り駅の東野駅から一駅進んだ駅で待ち合わせと記されており、心の中でため息をついて予定帳を閉じると不思議そうな瞳で私を見ている瑛美が話しかけてきた。
「なにか予定あるの?」
「うん」
私はそれだけ答えるとシャーペンを握って宿題を進め始めた。
瑛美も横で宿題をし始めるとゆっくりした時間が過ぎていったような気がした。
紅茶を飲もうとペットボトルに手を伸ばして時計を見るともう7時だった。
「あ、7時だ。迎え来るから帰るね」
慌ただしく立ち上がると瑛美はカバンに宿題を仕舞って私に小さく手を振ると教室を出て行った。
ああ、私にも迎えがこないものだろうか。