第2章 見つけないで○○
「…さん、霧島さん」
「ん…摩耶子お…?」
誰かに起こされている気がして私は目を覚ました。
いつのまにか寝ていたらしく隣には摩耶子ではなくて綾瀬先生だった。
「8時ですよ、下校時間です」
改めて時計を見ると確かに8時をさしていた。
机に寝そべる私の顔を覗き込むように綾瀬先生は見つめている。
ハーフのような綺麗な顔立ちは夜の月明かりにうっすらと照らされて妖しさが溢れている。
「なにか私の顔についてますか?」
先生に気付かれるほど私は先生の顔を見ていたらしくはっとして私は首を横に振ると帰り仕度をし始めた。
先生はその様子をずっと見ているようだった。他人に仕度をしているところは見られていると地味に恥ずかしいものだ。
帰り仕度を終えた私は椅子から立ち上がった。
「さようなら」
ニコニコした人当たりのいい笑顔を浮かべて先生は私に挨拶をした。
私もさようならと言うと教室を出た。