第3章 気持ち
露天風呂に女子のみんなと入っていた。
そしたら急に莉桜ちゃんが。
中村「そういや。結衣ってさぁ。カルマのこと、どう思ってるの?一緒に行動する男子だとカルマの方が多いし。」
結衣「私は、カルマくんのことは親友だと思ってるよ。でも一番の親友は、カエデちゃんだよ。」
茅野「結衣。」
結衣「カルマくんは、頼れるよ。相談にも乗ってくれるし慰めてくれるから。」
なんて言った。
中村「だってよォ!カルマ!」
カルマくんいるの!?
恥ずかしいんだけど。
恥ずかしくなったからお風呂から出るとカルマくんと遭遇した。
業「お風呂の話、本当に?」
結衣「うん。」
業「まじで嬉しかった。俺だけじゃなかったんだなって、実感したよ。」
結衣「カルマくんには、感謝しきれないほど苦労をかけちゃってるから和らいであげたい。」
業「ん?別にいいよ。結衣が俺と一緒にいてくれるだけで和らいでるから。」
カルマくんは、照れ臭そうに微笑む。
綺麗な微笑み方だね。
学秀は、無表情で笑うことはない。
だけど微笑むくらいはしてくれる。
私の大好きな学秀は、微笑みしかしなくていいから私にだけ向けてほしいという気持ちが混じった。
業「結衣。外に行かない?」
結衣「え?うん。」
外のベンチに腰をおろして夜空を見つめた。
綺麗に光る星。
業「結衣。浅野クンと幸せにね?なにがあっても浅野クンは、離さないと思うけど。結衣だって離さないであげてよ?結衣の幸せが逃げちゃうから。」
結衣「ありがとう。カルマくん。なんだろう。カルマくんといるとなんかお兄ちゃんみたいで甘えちゃうんだよね。」
業「お兄ちゃんいるの?」
結衣「いたよ。今だと高校3年かな。高1の時に心臓が原因で亡くなったの。心臓が弱かったから。それなのに私の親は、彼を見捨てたの!なにも出来ない彼を!私は、親不孝かもしれないけど親の言う事を効かなくなった。なにもしなくなった。後悔してるよ。お兄ちゃんを心臓移植させてあげられればよかったのに。」
業「分かったよ。だから、泣かないでよ。浅野クンも泣き顔なんて見せたくないと思うけど?」
カルマくんが指で私の目に溜まった涙を拭く。
優しいな。カルマくんは。