第4章 ありふれた日常
今までずっと……
我慢してたいろんな事が、抑えきれなくなったんだ
お兄ちゃんに、
私の気持ちがわかるわけない
パパやママの期待を一身に受けて、
先生にも信頼されて、友達だってたくさんいる
パパの会社の跡継ぎとして相応しい、人の羨むような人生歩んで
そんな、完璧に生きて来た人に、わかるわけないんだ
「お兄ちゃん、酷いよ。
ホストだったら何なの?
別にいいじゃない」
「、あのな」
「私の前やお兄ちゃんの前で、マサキさんどんな人だった?
絶対イイ人だもん。わかるもん」
演技なんかじゃないよ
いつも優しいのも
笑顔が素敵なのも
嘘なんかない
誰が何て言っても
私にとっては、私が見たままのマサキさんがホントだから
「もう…いいよ。
お兄ちゃんになんか頼らないから。
私がマサキさんを見つけるっ」
そう言って、
背中を向けた私に、
お兄ちゃんが何か叫んでたけど
私はそれを無視して、部屋を飛び出した
似てるって思った
私と同じで、マサキさんには居場所がないの
ホントはきっと、寂しいの
自分の居場所、探してる