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【S×A】だから人生は素晴らしい

第4章 ありふれた日常






「お兄ちゃん、
マサキさんから連絡ない?」




"一応"形ばかりのお土産は、駅前のパン屋のサンドイッチ
ここに来る理由が、マサキに会うためだってわかってるけど

の気持ちを知ってしまった今、尚更、これで良かったんだと思う




「ないよ」

「……そっか」



予想通りであっただろう、俺の返事にさえ
明らかな落胆した表情を浮かべて……

きっと、少しの期待を抱いて、ここに来たんだろうけど……

可哀想だとも思うけどさ



「どこに行ったんだろ。
住むとこないんでしょ?心配じゃないの?お兄ちゃんは」

「ガキじゃないんだから。
出てって、結構経つし大丈夫だろ?」




素っ気ない俺の言葉に

静まり返ったリビングが、気まずい空気に変わる

何かに縋りたいの気持ちを傷付けたって、直ぐにわかったけど



「お兄ちゃんは冷たい。
友達なのに、いつもそう、取り乱したりしないもんね」



反撃するような、
わざとトゲのある物言い

歳の離れた妹の戯れ言なんて、軽く流したらいいのに

ざわざわと、胸奥に響く



どうしろって言うんだよ

あの時アイツを引き留めて、側において?



の気持ちを知ってるくせに、
取り持つようなこと、出来るわけない



俺と……セックスした男とだなんて有り得ない





「お兄ちゃんはみんなに期待されて、頭もいいし優等生だから、
私の気持ちなんてわかんないんだよ」





わかんねーよ

自分の気持ちさえ曖昧なのに、
他人の気持ちがわかってたまるか



いずれ、真実を知ってしまえば、傷付くのはなんだからな


今のうちに、目を覚ましてやるよ






「アイツはやめとけ」

「お兄ちゃん…?」

「根は悪いヤツじゃないけど、付き合ったら後悔するよ」



パソコンをパタンと閉じ、椅子から立ち上がるとに向き合った




「なにそれ」



涙目で訴えるような眼差しは、怒りを含んでる




「アイツ、ホストしてんだ。
女癖良くないんだって」




あの短期間で、あれだけ稼ぐなんて
アイツの今までの言動からしても、有り得る話で



「それ、ホントなの?」





初恋なんてな

綺麗なうちに終わらすのが、一番いいんだよ


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