第4章 ありふれた日常
「あれ…?
お兄ちゃん、マサキさんは?」
日曜日の午後
この間と同じに、
大きな紙袋を持ったが
部屋にやってきた
来ると連絡はあったけど
わざわざ、マサキの事を伝える必要もないと思ったから
何も言わなかった
「いないよ」
「え~留守なの?残念」
おかずが入ったタッパーを、テーブルに並べて
あからさまに肩を落とすは、オシャレしていて……
「何時頃帰って来るか聞いてる?」
期待した純粋な眼差しに
少しだけ躊躇ったけれど、口を開いた
「もう、帰って来ないよ。
アイツ、出てったから」
「え…」
は、
だし巻き玉子の包みを開きながら、動きを止めた
……マサキが美味いって言ったから、また焼いて来たんだな
いじらしいなとは思うけど、そんな大した……
「なんで!?
行くとこないから、
居候してるんじゃなかったの?
友達だって」
「…」
正直、驚いた
なんで……そんな必死なんだよ
「どこ行ったか聞いてない?
ねぇ?」
「聞いてないよ」
聞けるわけがない
俺らの関係に、中身なんてないんだから
止める理由も
追う理由も
何も……ない
「そんな…
ねぇ、また来るよね?
友達だもんね」
縋るような眼差しに気圧されて
曖昧にしか応えられない
いくら女子高行ってて、出会いがないにしても
会って間もないアイツにそんな肩入れするか?
「だって……私、
再会出来たから……」
「なん…」
言葉に詰まる
なんで……泣くんだよ
「私ね、ホントに好きなの。
こんな風に誰かを想うの、初めてなの」
ただの憧れだと思ってたのは、勝手な思い込みで
の
妹の初恋は、アイツだと知った