第4章 ありふれた日常
「だーからぁ、大丈夫だって」
間違っても、
口が裂けても、
何がなんでも、
俺らの事は内緒だと念押しするしょーちゃん
しつこすぎるでしょ
せっかくテレビ観てんのに
ずーっとジャマばっかしてくるし
俺がこんだけ真面目に話してんのに、ヘラヘラすんなよ!?なんて
ヘラヘラしてるつもりないのに
「セックスしたことなんて、わざわざ話さないから大丈夫だって。
聞かれるわけないでしょ。
男同士だよ?世間じゃ変態だからね、俺ら」
「変態…」
俺がそう返したら、
途端に静かになった
「……とにかく。
頼んだからな?」
「はーい」
なで肩を更に撫でて、
しょーちゃんはリビングから出てった
元々さ、
ちゃんにも、しょーちゃんにも
深入りする気なんてないから
そうなる前に、その人の前を去るって、
もうずっと、
そんな風にしか俺は、人と関わりを持っていない