第1章 Look at the skies
「ン…、う…ん……」
ぼんやりと目が覚め
白い天井を眺めた後、
無意識に毛布を引き寄せ、身体を丸める
だけど……
直ぐに違和感に気づいて、
閉じた目蓋をもいちど開いた
「…っ/////」
途端に蘇る感覚と
身体の異変
異常に気怠い下半身に、意識もハッキリと目が覚めた
ベッドに横たわるヤツの姿
枕に俯せ、気持ち良さげに寝息を立てる
華奢だけど、
オトコらしい背中が
生々しくて、思わず目を背けた
フラッシュバックのように、次々脳裏に浮かぶのは……
ヤツの妖艶な笑みと
獣みたいに繋がり続けた自分自身
見せ付けられるように向けられた背中には
記憶にない爪痕
明らかに新しい傷は、
紛れもなく、昨夜俺が付けたものだろう
「…」
有り得ない、よな
俺、オトコと寝たんだ……
複雑な感情は、
行為に及んだことよりも
夢中になってしまった自分自身
確かに…アイツ……
「しょ…ちゃ、…ん?」
囁くように呼ばれ、振り返ると
ヤツが俯せたまま、
顔だけこっちを向いてる
重そうな目蓋を開き、
ニコリと無邪気に笑う
昨晩とは全く違うその顔に、
力が抜けると同時に羞恥心が沸き上がった
「おはよ。ふふっ、
どーだった?
俺、巧かったデショ?」
俺の複雑な心情なんてお構い無しに
弾んだ声で聞いてくる
「っ…、なこと、聞くな///」
「え?なに今さら恥ずかしがってンの?(笑)
アンナコトしたのにぃ?」
ひゃっひゃ、とからかうように笑って…
確かに…誘ったのは俺だし
受け入れたのも自分の意志だよ
それでも、さ…?
やっぱり
昨晩の俺は、どうかしてた
「シャワー、浴びてくるわ」
「うん。いってらっしゃーい」
ぷらぷらと手を振るヤツの笑顔に見送られ、
バスルームに向かった
俺…
もしかして、物凄くマズイコトしちゃったんじゃね?
勢い良く出したシャワーを頭から浴びながら、
軽率な行動に、
なかなか胸の支えは取れなかった