第8章 職場体験
芦「やっぱりテレビで中継されると違うね~。超声かけられたよ来る途中!」
透「私もジロジロ見られて何か恥ずかしかった!」
尾「葉隠さんはいつもなんじゃ…」
翌日、みんなが登校中の様子を語っていた。体育祭は全国放送されるから仕方ないとはいえ、やはりみんなも多くの人から注目を浴びていたらしい。
上「マナも来る途中すげえ女の人に囲まれてたよな!羨ましい~~!」
『お姉様方にすっごい撫でられた』
耳「愛でたくなるよね、マナって」
瀬「俺なんか小学生にいきなりドンマイコールされたぜ」
「ドンマイ」
そんなことを話しているうちに、相澤先生が教室に入ってくる
相「おはよう。今日のヒーロー情報学ちょっと特別だぞ」
相澤先生の言葉に皆が戦慄する
上(小テストか!?やめてくれよ~)
切(ヒーロー関連の法律やらただでさえ苦手なのに…)
ごくりとみんなが唾を飲む中、先生が言葉を放つ
相澤「コードネーム。ヒーロー名の考案だ」
「「「胸ふくらむやつきたぁぁぁあ!」」」
と、みんなが席を立って喜ぶと、相澤先生が目を光らせる。とたんに背筋を伸ばし静まるみんなは相澤先生の恐ろしさを知るがゆえ…
相「というのも先日話したプロヒーローからのドラフト指名に関係してくる。指名が本格化するのは経験を積み即戦力として判断される2~3年から…つまり今回1年のお前らに来た指名は将来性に対する興味に近い。卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセルなんてことはよくある」
透「頂いた指名がそのまま自身へのハードルになるんですね!」
相「そう。で、その集計結果がこうだ」
ピピッと黒板に表示されていく指名
相「例年はもっとバラけるんだが3人に注目が偏った」
私の指名は…1853?!
三位だったのに、すごい数の指名をもらって私は困惑するばかりだ。
上「マナすげえな!」
『そういう電気だって、かなり来てるじゃん。トーナメントアレだったのに』
そう、やはり帯電は汎用性が高いのか、かなり指名が来ていた。あんな醜態を全国に晒したけれど、やはり電気の個性は相手にするとやっかいで味方にすると頼もしいものなのだとあらためて思った。