第6章 体育祭
真っ赤な炎で右を包む轟くん。それを見て緑谷くんは笑い、轟くんも笑っている。緑谷くん、すごいな。轟くんは炎を使ってさらに強くなったのに、それを笑って…喜んでいるなんて。きっと彼は今、自分の利益のことなんて全く考えていないんだ。
エ「焦凍ォォォオオオオ!!」
《ん?》
エ「やっと己を受け入れたか!そうだ!ここからがお前の始まり!俺の血をもって俺を超えて行き俺の野望をお前が果たせ!!」
エンデヴァーさん…
彼が轟くんに叫ぶが、轟くんは聞こえていないようだ。ただ、目の前の緑谷くんだけを一心に見つめている。
《エンデヴァーさん急に激励…か?親バカなのね》
そして2人がぶつかるとき、声も拾えないような小さな声だけど、彼の口は動いていた。
轟「緑谷…ありがとな」
思わず涙がこぼれる。2人のぶつかった攻撃はとてつもない威力で、観客席までにそれはおよぶ。
《散々冷やされた空気が瞬間的に熱され膨張したんだ》
《お前のクラスなんなんだよ!!》
そんなマイク先生の言葉に、その中には私たちもはいってるのか、とちょっと不安になる。
《それでこの爆風ってどんだけ高熱だよ!ったく何も見えねぇ!オイこれ勝負はどうなってんだ!?》
ゆっくりと、煙が引いていく。
そして、そこに立っていたのは
ミ「み…緑谷くん場外。
轟くん3回戦進出!」
轟くんだった。