第8章 職場体験
相「全員コスチューム持ったな。本来なら公共の場じゃ着用禁止の身だ。落としたりするなよ」
芦「は~い!」
相「伸ばすな!」
芦「はい…」
相「くれぐれも体験先のヒーローに失礼のないように。じゃあ行け」
皆「「「はい!」」」
相澤先生からの注意を受けて、私たちはそれぞれの場所へ向かう。いつも一緒にいるクラスメイトと離れなくてはならないのがなんだか違和感で、緊張してきた。そんなとき、焦凍くんが私のそばにやってくる。
轟「マナ、行くぞ」
『あ、そっか!焦凍くんもエンデヴァーさんのとこなんだね……どうして行く気になったの?』
正直、あれだけ嫌っていたお父さんのところへ焦凍くんが自分から行くのが意外だった。だから聞いてみたけれど、焦凍くんはまっすぐな瞳で教えてくれた。
轟「どんだけクソでも、No.2のヒーローだ。あいつの何がすごいのか、この目で見なきゃなんねえ」
『…そっか!私も負けてらんないな!』
焦凍くんも覚悟を決めてきたのだとすぐにわかった。きっと、お母さんに会えたことが大きいのだと思う。大丈夫、私も焦凍くんもきっとここで成長できる。
私の覚悟も察してくれたらしく、焦凍くんは私に向かってふっ、と微笑んだ。
そうして2人、エンデヴァーさんの事務所へ向かった