第8章 職場体験
切「んじゃ俺も!」
切島くんが続いて前に出る。そこに書いてあったのはレッドライオット。漢気…なるほど、切島くんはあのヒーローに憧れていたのか。そう考えると普段の漢らしさにも納得がいった。
ミ「赤の狂騒!これは漢気ヒーロー紅頼雄斗のリスペクトね」
切「だいぶ古いけど俺の目指すヒーロー像はクリムゾンそのものなんス」
ミ「憧れの名を背負うってからには相応の重圧がついてまわるわよ」
切「覚悟の上っス!」
切島くんが席に戻ってくると、私の方を向いてにかっと笑ってくれた。私も彼に一言声をかける。
『名前、かっこいいよ!』
切「へへ、さんきゅ」
そして名前が決まってすっきりしている切島くんとは反対に、未だに悩んでいる幼なじみに目を向けた。
上「思いつかね~」
『電気なら…チャージズマとか』
上「おお!チャージとイナズマかけたのか!すっげえいい!気に入った!」
私の軽い一言で電気は決めてしまったらしい。まあ、我ながらいい案だとは思ったけど、まさか即決されるとは…
そして電気のヒーロー名はスタンガンヒーロー、チャージズマに
みんながどんどん決まる中、まだ決まってない人も結構いる。緑谷くんと、かつきくんと…お茶子ちゃんとか飯田くんも。すると突然かつきくんはガタッと席を立って前に立つと…
爆「爆殺王」
ヒーローとしてどうなのそれ
ミ「そういうのはやめた方がいいわね」
爆「なんでだよ!?」
切「爆発さん太郎にしろよ」
そしてその後、お茶子ちゃんはウラビティ、飯田くんは天哉と、焦凍くんと同じように名前を書いた
そして、続いて緑谷くんが見せたプレートには
峰「緑谷?」
上「いいのか?」
切「一生呼ばれ続けるかもしんねぇんだぜ」
緑「うん。この呼び名今まで好きじゃなかった。けど、ある人に意味を変えられて僕にはけっこうな衝撃で…嬉しかったんだ。これが僕のヒーロー名です!」
そこにあったのはデク
爆豪くんからいつも呼ばれる蔑称
それをあえて選んだのも、彼の決意なのかもしれない
爆「爆殺卿!」
ミ「違うそうじゃない」
爆豪くんのセンスには、みな笑うことすらできなくなっていた