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温もりに包まれてて 【贄姫と獣の王】

第6章 枷


儀式の用意をするため アタシは村長さんの家に連れてこられていた。

誰もいない部屋に通され、しばらくすると村長さんのが白い大きな箱を持ってきた。

村長「この衣裳に着替えてから外に出てくるのじゃ」

箱を開けてみると、真っ白いワンピースが入っていた。
言われた通りに着替えてから家の外に出る

「手を出せ」

村の人に言われ両手を出すと
ガチャ ガチャ

『えっ…』

金属の音がしたと思ったら、両手首に重い手枷がつけられた。

こんな物もつけるんだ
手首をじっと見ていると

ガチャ

『うっ…』

今度は首枷までもつけられ、それらから伸びた二本の鎖を村長さんが握っていた。


村長「さぁ もう時間がない さっさと馬車に乗るんじゃ」


家の前の道には、窓に鉄格子のはまった馬車が待っていた。

「さっさといけ!」
「間違っても逃げてくるなよ!」

村人たちのそんな声に押されて馬車に乗ると
バシッ! ヒヒーン
馬を鞭で叩く音がし馬の嘶きが聞こえるとぐすぐに動き出した。

ああ、ドナドナってこんな感じなのかなー
なんて思ってしまった。







窓から見る景色は黒一色に変わっていた

これからどうなるのかなんて考え付かない

只、馬の蹄の音だけが響いている


忘れかけていた この世界に来たときの
不安 孤独 諦め
それらをまた噛み締めていた
負けたくない
自分の運命なのかもわからないこの状況に





それでもアタシは生きているのだから
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