夢現 ~Dream"A"live~ 《気象系BL》
第10章 お疲れさま♪
櫻「ただいまぁ~」
玄関のドアが開くと同時に愛しい人の声が聞こえてきた。
俺は急いで玄関に向かう。
大「おかえり、お疲れさまでした」
櫻「なに?どうしたの?」
翔くんが少し驚いたように俺を見た。
大「なにが?」
櫻「だって『お疲れさまでした』なんて言うから…」
大「ふふっ、今日はね、なんか『お疲れさまでした』って言いたい気分」
櫻「そうなの?」
大「そうなの」
いつもいつも遅くまで仕事して、いつか身体を壊してしまうんじゃないかとずっと心配してた。
でも今日、大きな仕事が片付いた。
だからいつもの『お疲れさま』じゃなくて『お疲れさまでした』って言いたかった。
これから少しの間だけどゆっくり出来るから…ちょっと安心。
そんな翔くんに今日は疲れを癒してもらおうとご馳走を用意して待っていた。
大「翔くん、見て見て?」
リビングまで手を引いて歩いてくると翔くんは嬉しそうな顔をした。
櫻「うわっ!すご~い♪俺の好物ばっかりじゃん
お酒もあるし♪」
大「うん、翔くん明日から連休でしょ?今日はゆっくり飲もうね?」
櫻「やった~!ありがとっ、智くん」
翔くんが俺にぎゅっと抱きついてほっぺにチュッとキスしてくれた。可愛いなぁ~♪
もっと強く抱きしめて濃厚なキスをお返ししたいけど、それだけじゃ済まなくなるだろうから今は我慢我慢!
大「さ、座って乾杯しよ?」
櫻「うんっ」
翔くんのグラスにビールを注ぐ。
大「それじゃあ
『お仕事お疲れさまでした。これからも俺のことを応援し支え続けてください』
カンパーイ!」
櫻「カンパイ…ふふっ、なんか変な挨拶だね?」
大「いいのいいの、俺の今の気持ちだから」
櫻「そう?ならいっか…」
翔くんは楽しそうな笑顔でそう言った。
大「そうそう、細かいことは気にしない」