夢現 ~Dream"A"live~ 《気象系BL》
第7章 ハピバ!
3人が去った後の部屋には沈黙が流れた。
「あの、翔くん…」
智くんが遠慮気味に声を掛けてきてそれだけでもドキドキした。俺と智くんは同じ想いでいるってことでいいんだよね?
智くんの顔を見ると少し緊張したような表情をしていた。
「…なに?」
そう答えるのが精一杯で視線すらまともに合わせることが出来ない。
「あ、えと…確認なんだけど、翔くんは俺のこと好きってことでいいのかな?」
そうだよね、さっきの会話だとはっきりそこまで言って無いよね。
「智くんはどうなの?」
「俺は翔くんのこと好きだよ」
その言葉を聞いて体の力が抜けた。気が付かない内に俺も相当緊張してたんだな。
「俺も…智くんのこと好き…」
言い終わった瞬間、智くんの手が俺の顎を捉えたかと思ったら上を向かされ智くんにキスされた。あまりのスピードに何が起きたのか理解出来なくて理解できた時には智くんは離れた後だった。
「…狡い」
「え?あ、ごめん!嫌だった?」
智くんが心配そうに俺の顔を見たから可笑しくなって思わず吹き出してしまった。
「ぷっ!」
「え?なに?どうしたの?」
「だって智くん凄い顔してるから」
「そんな変な顔してた?」
「うん『やらかした』って顔してたよ」
「だって翔くんが狡いって言うから、調子に乗って怒らせちゃったかと思って」
「狡いって言ったのは智くんのキスが速すぎたから…智くんとはじめてのキスなのにあっという間でわからなかったよ」