第5章 いま愛を語ろう

「さて、準備も出来たし乾杯しよっか」

「うん」

ソファーに座りシャンパンの入ったグラスを軽く合わせた。

「「おめでと」」

ふたりで微笑みながら今日の為に翔くんが用意してくれたシャンパンを口にした。

「うんめぇ、高かっただろ？これ」

「だって一年で一番大切な日だもん、奮発しちゃった」

「そっか、一番大切な日か…」

「智くんは違うの？」

「ん～、違くはないけど…でも俺にとっては翔くんの誕生日かな、生まれて来てくれなかったら出会えなかった…」

「智く～ん」

翔くんがグラスを置き抱きついてきた。

「あ、ほら…溢れるよ」

慌てて俺もグラスを置いた。

「智くんが嬉しいこと言うのが悪い」

少し膨れっ面をした翔くんが可愛い。

「嬉しいこと言ったのに悪いの？」

「うん、そう…智くんが悪いの」

「え～？じゃあどうしたら許してくれるの？」

「ん～、じゃあいっぱいキスして？」

可愛らしく小首を傾げる翔くん。

「そんなことでいいならいくらでもしてあげるよ」

翔くんを抱きしめると何度も啄むようにキスをした。

「ふふっ、初めてキスした時みたい」

「覚えてたんだ」

「もちろん！智くんとしたことは何でも覚えてる」

「初めてのエッチも？」

「…覚えてるよ」

頬をピンクに染める翔くん。

「あの時の翔くん、初々しくて可愛かったなぁ」

「今の俺は可愛くない？」

少し悲しそうな顔をした。

「今は超可愛いし、超綺麗」

「智くんっ！」

ぎゅっと抱きついてきた翔くんの耳元で囁いた。

「今夜も超綺麗な翔、見たい…」

「お祝いどうするの？」

「続きはベッドの中でしよ？」

コクンと頷いた翔くんを抱きかかえ寝室に入っていった。綺麗な翔くんを更新するために今夜も身体で愛を語り合おう。

今夜だけじゃなく、これから先もずっと…


fin