夢現 ~Dream"A"live~ 《気象系BL》
第5章 いま愛を語ろう
「…ダメじゃない…」
翔くんの腕が俺の背中に回った…そして翔くんが俺の肩に顔を伏せた。心底ほっとして、はーっと息を吐いた。
「…智くん、俺からもひとつお願いしていい?」
潤んだ瞳で俺を見る翔くん。
「なに?」
「ライブパフォーマンスだとしても…キスしてほしくない…」
「翔くん…?」
翔くんにそう言われちょっと驚いた。
「…俺が泣いた原因は智くんだよ?」
そう言ってはにかむ翔くんはとても可愛かった。
ニノが俺に微笑みながら控え室から出ていった。
「そんな事言われたら俺勘違いしちゃうよ?」
翔くんの目を見つめ聞くと翔くんはうっすらとピンクに頬を染めた。
「いいよ、勘違いじゃないし…」
「ほんとに?翔くんも俺のこと好きだと思っていいの?」
「…うん」
視線を伏せ頷く翔くんに愛しさが増す。翔くんの頬に手を添えると翔くんの視線が恥ずかしそうに俺に向く。顔を近付けていくと翔くんの瞼が閉じられた…翔くんの唇に俺の唇を押し当てた。
初めて触れる翔くんの唇はふっくらとしていて気持ちよくてすぐに離れるのが惜しくて啄むようにキスをした。
控え室の外が人の声と足音でざわつき始め慌てて翔くんから身体を離す。
翔くんと目が会うとお互い恥ずかしそうに微笑み合った。