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夢現 ~Dream"A"live~ 《気象系BL》

第12章 開花宣言


「あいばかさん…」

ニノが相葉くんに聞こえないくらいの声でボソッと呟いた。相葉くんが悪い訳じゃないのに…智くんが変なこと言うから。

「大ちゃんの桜も見てみたいなぁ…今度見せてよ」

「嫌ってほど見せて貰ってるけどね。今なんていい感じに紅く染まってるよ?」

ニヤニヤ顔の松潤と目が合った。
もぉ、智くんのせいで…どうしてくれるんだよ、この顔の熱。

「お薦めは夜桜だな。見事に薄紅に色付いてほんと綺麗なんだから!」

「もうやめて智くんっ!」

流石に恥ずかしくて止めに入った。

「ん~?なんでぇ?」

のんびりと答える智くんは全くもって悪気が感じられない。

「なんでじゃないよ、そういう話は楽屋でしないで」

「諦めなよ翔くん」

「そうそう、我々ももう慣れましたしね。大野さんも他の人がいる所では言わないからその辺はわきまえてるんでしょ?」

「あったりまえだ!翔ちゃんの良いところを他人になんて教えられる訳ないだろ。狙われたらどうするんだ」

「そっちが理由かよ…ふたりの関係がバレるとかじゃないんだ…」

松潤も流石に呆れたらしい。

智くんがメンバーに俺の自慢話をするのは愛されてる証拠なんだろうけど、内容がちょっと…というか、だいぶ恥ずかしい…

「智くんあのね?そう言う話は家でふたりだけの時にして?」

「えー!駄目なの?」

本気で残念そうに言うから可愛らしい…でもやっぱり駄目なものは駄目だよね。

「うん、駄目…だって…」

智くんの耳元に唇を寄せた。

目を見開いた智くんが俺を凝視したあと、ふっと頬を緩めて嬉しそうに笑った。

「だな…」

「なになに?ふたりで微笑み合ってなんかやらしい~」

相葉くんが俺たちの顔を交互に見た。

「相葉さん、もうほおっておきましょ?これ以上は胃もたれしそうです」

ニノはゲームに目を向け、松潤はスマホを手にした。

「翔、今夜も世界一の夜桜咲かせろよ?」

智くんってば急に男になるんだから…

どんな夜桜になるかは智くん次第なんだよ?


『うん、駄目…だって…夜桜は智くんだけのモノだし、開花させられるのは智くんだけでしょ?』


おわり🌸
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