第12章 開花宣言

レギュラー番組収録前の楽屋。

いつものようにそれぞれがそれぞれの時間を過ごしてる。

「へぇ、開花宣言かぁ～」

スマホを覗いていた松潤が嬉しそうな声をあげた。

「潤くん、桜が咲くのそんなに楽しみなんですか？」

ニノが手にしていたゲームから視線を外し松潤を見た。

「ん、楽しみ！ほら、俺桜の盆栽育ててるじゃん。ちょっと元気なくてさ、去年は咲かなかったんだけど今年は蕾が付いてるから咲くと思うんだよね？」

「よかったね、松潤。咲いたら家で花見出来るじゃん、いいなぁ～」

「相葉さんの場合はあちこちロケに行ってるから各地で桜見れるじゃないですか」

「まぁねぇ…結構あちこちで目にするけどさ。
でもゆっくり花見は出来ないよ」

「確かにお花見なんて何年もしてませんねぇ」

「ニノは基本家から出ないじゃん」

「じゃあさ、俺の桜咲いたら家で花見する？」

「え？いいの？松潤」

いいの？なんて言いながら嬉しそうな笑顔を見せる相葉くん。お花見決定かな？

「いいよ、全然オッケー。ニノも家の中ならいいだろ？たまには飲もうよ」

「いいですね。桜を愛でながらのお酒は久しぶりです」

「よっしゃー！じゃあ決定ね？桜咲いたら連絡する。ねぇ、そちらのおふたりさんも一緒にどう？」

松潤が俺と隣に座る智くんに視線を向けた。

「う～ん、どうすっかなぁ…」

「大野さん、桜に興味無いんですか？」

「もちろんあるよ？でも俺の桜は一年中満開で毎日愛でてるから」

そんな笑顔でこっち向かれても…

「……はいはい」

呆れた顔のニノとニヤニヤ顔の松潤。

「えっ⁉一年中咲いてる桜なんてあるの？」

本気で驚く相葉くん…そんなのあるわけないじゃん。