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黒バスshort stories ver,Christmas

第11章 ゼラニウム ≪高尾和成≫



「言葉で言いなさい。」

「ケチ。減るもんじゃないのにさ。あ、そういえばさ俺あげたいものがあるんだよね~。ちょっと待っててな。そうだ、目つぶって。」



大人しくその場で目をつぶると、髪を触られる感じがした。こめかみあたりに当たる何か。そっと目を開くと目の前に鏡が差し出された。見ると、こめかみに付けられた綺麗なピン。



「どう?可愛いっしょ!めっちゃ似合う~!惚れ直す!」

ケラケラと笑いながら私の反応を待っている。

それは小さな物で決して豪華ではないけど先端に花が一つ付いていて、それは微かに赤色の光を放っていた。

私はとたんにくるっと体の向きを変えて少し伸びをすると、彼の唇に優しくキスをした。




「?!」


「…ありがとう//」

「…どういたしまして。気に行ってもらえてよかったわ。」




再びケラケラと笑いだす彼。

「ところでさ、それ何の花をイメージしてるか分かる?」
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