黒バスshort stories ver,Christmas
第1章 皆で過ごすのも悪くない (キセキの世代)
「え?!」
思わず全員の視線が赤司様に向けられる。赤司様は笑っていた。
「練習なんてするつもりはもともとないよ。この日は皆で過ごしたいと思ってね。たまにはいいだろう?」
「…うん!」
笑顔で真っ先に頷くのは私。
なんて嬉しい話だろう。
大好きな皆とクリスマスを過ごせる。
これならリア充より何倍もましな気がする…と思うのは、いつも一緒にいる彼らだからだろうか?
「赤司。…まぁ、たまには、な。」
という緑間っちもやっぱり嬉しいようで、微笑んでいるのが見えた。
「やったー!しおりんのケーキ食べ放題ッスね!」
「他の子と約束があるんじゃないの?」
「何言ってんスか、俺が用あるのはしおりんだけッスよ。」
お得意の決め顔で言われ思わず笑った。それが目的なのね。というと黄瀬っちは肩をすくめる。
「なんすかもう。」
「しーたん、お菓子いくつ持ってくる~?」
「え、それは赤司様に聞いて。」
「紫苑に任せるよ。」
そういうと赤司様は面白いものでも眺めるような目で私の前に座った。知っている。彼がこういう目をしてるときは、自分も楽しみにしているということ。
「ねぇ、しーたん、いくつ~?いくつでもいい~?」
なかなか答えない私にむっくんはしきりにゆすってくる。私は困ったように眉根を下げると、上を向いてむっくんを見つめた。
「むっくんに任せるよ。あ、でも皆で食べるからそこのとこよろしくね。」
「ん~、わかった~。」
「これは、楽しみです。」
「そうッスよね!俺もう、今からドキドキッス!」
「なんだ、黄瀬。お前まさか…」
「ち、違うッスよ!何考えてるんスか青峰っち!」
柄にもなく頬を赤く染めている黄瀬っちとニヤニヤ笑う青峰。