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黒バスshort stories ver,Christmas

第9章 大人な彼と子供な彼 ≪伊月俊≫




話したかったのに日向の奴め。ま、そう言っても視線はちらちらとアイツの方にしか行かない。

監督のとなりでいつも真面目に真剣に俺たちをサポートしてくれる彼女。

もどかしいほどに抱きしめたい。



「…だぁほ!何ぼーっとしてんだよ!」

「いいだろ何だって。」

俺はそういってその場を離れた。向かった先は愛おしい彼女の隣。寒いのか体育座りをして上着に包まってる。



「あ、先輩!」

「寒いのは無理しなくていいぞ。」

ポイッと自分の上着を投げると、彼女は上手くキャッチした。

「大丈夫なのに…」

「見てるこっちが寒いだろ。」

不服そうにしているその額に軽くでこピンをすると、嫌そうに眉をしかめた。それでもなお頭をわしゃわしゃと撫でると嫌そうな顔をしながらも嬉しそうに口元が笑っているのが見える。





「あ!…儂しゃ今、わしゃわしゃと撫でられてる。…きたこれ。」
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