黒バスshort stories ver,Christmas
第7章 Imagine by your self ≪赤司征十郎≫
少々息を切らしながら駅前の通りにたどり着く。どこにいるのだろうとあたりを見渡すと何の前触れもなく後ろから抱きつかれた。
「早かったね。そんなに寂しかったのかい?」
答えるよりも早くくるっと体を後ろに向けて自分から抱きつくと、彼は少し驚いたようだ。
「当たり前でしょ。会いたかったに決まってる。」
「相変わらず可愛いな。」
笑いながら頭をなでられると同時に押しつけられる感覚。
ふと気が付けばここが人通りの多い駅前だと気付き、顔を上げようにもあげられない自分がいた。
「…狙ったでしょ。」
「何を。」
「恥ずかしくて顔上げられないこと。」
「どうだか。」
しらを切る彼には一度も勝ったことがない。勝とうとも思わない。たまに見せる私だけの知ってる一面が見られれば、それ以前に彼といられれば文句などない。