黒バスshort stories ver,Christmas
第7章 Imagine by your self ≪赤司征十郎≫
「うーん、どうしようか。紫苑はどうしたい?」
わざとらしく頭を悩ませる彼に私はえ?っと顔をあげた。
「質問を変えようか。紫苑はどこへ行きたい?」
「…どこへ…」
頭に浮かんだのは灰色の冬の世界に明るく輝くライトの数々。そういえば、クリスマスだというのに買いものに行ってない。
「お買い物したい。」
「なら、そうしよう。」
珍しく何の計画もない彼。知らず知らずのうちに繋がれている手をぎゅっと握った。買い物がいつもより楽しく感じられて、そう思うと時間も早く感じる。
いつの間にか私の中から無計画な彼のことなど消えていた。
そんな私を温かく見つめる目がそこにあった。
その時私は気付かなかった。無計画な彼がいるはずないと。