黒バスshort stories ver,Christmas
第5章 一枚上手 ≪黒子テツヤ≫
なんだか今日は彼女に勝てる気がしません。
待ち合わせ場所に彼女が来た瞬間、僕は彼女に溺れているんだと改めて実感しました。
楽しそうに目を輝かせているのも、愛おしくて無邪気さから何処かへ行ってしまうんではないかと心配になるほど。
「テツ君。」
「何ですか?」
優しく問いかけると彼女はふわっと笑った。
「なんでもない。」
「…気になります。」
「気にしない!」
「…そうですか。」
とあっさりと諦めると彼女はつまらなそうに口をとがらせる。
もっと構ってほしいのだろうが、僕が気にすると気にしないでと帰ってくる。だから、そこで終わりにする。
喧嘩をするのはどうしても避けたい。