黒バスshort stories ver,Christmas
第4章 メレンゲのように軽くチョコのように甘く ≪紫原敦≫
玉飾りを手に取りつけはじめる。
ランダムに付けて行くのが案外面白くて手際よくやっていくのはいいけど、バランスに気をつけないと倒れてしまう。
緑が、赤や金、天使の羽の白などでカラフルになった後、イルミネーション用の豆電球を巻きつける。上の方は届かないからもちろん、背の高い彼の役目。
「最後の仕上げー。」
「ん~。」
てっぺんにとりつける星の飾りを手渡すと、彼はいとも簡単にひょいとくっつけた。その間に私は別の箱を開ける。
彼はチリンと鈴の飾りを鳴らすと私を見下ろした。
「これで完成?」
「これもつけるの。」
「…何これ、綿?」
「そう、雪だよー。ホワイトクリスマスー。」
ふわふわだね、と笑いあいながら小さくちぎった綿をもみの木に乗せて行く。これで、作業終わり。
部屋の隅に置かれたツリーは柔らかな光の中静かに立っていた。