黒バスshort stories ver,Christmas
第2章 金と銀、紫と緑 ≪黄瀬涼太≫
外の寒さで冷えた体に、互いの温もりがじわじわしみて、なんだかほほえましくなってきた。
「涼太は何してたの?」
「俺も買いものッス。しおりんこそ、こんなに買ってどうしたんスか?と言っても、お金持ちのお嬢様にはこれがいつものことかもしれないッスけど。」
熱い紅茶カップを両手で包み、指先がじんわりとしてきた。
なんだか、本当のことを言うのが恥ずかしい。頬が赤くなってるんじゃないかと思って、じっとカップの中の紅茶を見つめた。
「…しおりん?」
視線が向けられているのが分かる。
でも、言えない。
貴方へのプレゼントを買っていたなんて、恥ずかしがり屋の私にはとてもじゃないけど言えない。しかもこのシチュエーションで。
「……言わないと、俺も教えないッスよ。」
「なんでそう言うときだけ意地悪なの…?」
少々唇を尖らせてむくれても、彼は謝ることなく私の返事を待っている。その気まずさにとうとう耐えられなくなって、小さな紙袋を取り出した。
「涼太に…プレゼント買ってたの…クリスマスだし、いいかな?って///」
目線を下げたまま、それを渡す。なんだか、いつも以上に恥ずかしい。
淡い赤と緑の小さなリボンが付いた手のひらサイズの紙袋。中から出てきたのは、ペンダントだった。