• テキストサイズ

黒バスshort stories ver,Christmas

第2章 金と銀、紫と緑  ≪黄瀬涼太≫


外の寒さで冷えた体に、互いの温もりがじわじわしみて、なんだかほほえましくなってきた。

「涼太は何してたの?」

「俺も買いものッス。しおりんこそ、こんなに買ってどうしたんスか?と言っても、お金持ちのお嬢様にはこれがいつものことかもしれないッスけど。」

熱い紅茶カップを両手で包み、指先がじんわりとしてきた。

なんだか、本当のことを言うのが恥ずかしい。頬が赤くなってるんじゃないかと思って、じっとカップの中の紅茶を見つめた。

「…しおりん?」

視線が向けられているのが分かる。
でも、言えない。
貴方へのプレゼントを買っていたなんて、恥ずかしがり屋の私にはとてもじゃないけど言えない。しかもこのシチュエーションで。




「……言わないと、俺も教えないッスよ。」

「なんでそう言うときだけ意地悪なの…?」

少々唇を尖らせてむくれても、彼は謝ることなく私の返事を待っている。その気まずさにとうとう耐えられなくなって、小さな紙袋を取り出した。



「涼太に…プレゼント買ってたの…クリスマスだし、いいかな?って///」

目線を下げたまま、それを渡す。なんだか、いつも以上に恥ずかしい。

淡い赤と緑の小さなリボンが付いた手のひらサイズの紙袋。中から出てきたのは、ペンダントだった。
/ 65ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp